
女性、特に主婦の皆さんは、お金の面で男性よりも弱い立場にあるのが現実です。
奥様が専業主婦として家庭を守り、ご主人が収入を得るという「役割分担」をしている場合、万が一ご主人に先立たれてしまうと、収入の大半を失ってしまいます。
しかも、専業主婦の場合、老後の年金も決して十分ではないため、苦しく不安な人生を迎えることになりかねません。
そのような悲惨な事態を回避する意味で、若いうちから真剣に考えたいのが主婦の不動産投資です。
働く独身女性でも不動産投資を始める方は少なくありませんが、ご主人という強い味方が存在する主婦にこそ、大きな利点があることは案外知られていません。
しかも、新型コロナによるテレワークの拡大などにより、若い方でも不動産投資に参入しやすい環境が生まれつつあります。
ここでは、主婦が不動産投資に向いている理由と不動産投資市場の新たな動き、失敗しないための注意点やポイントなどをできるだけ分かりやすく解説いたします。
- 今、専業主婦に不動産投資をおすすめする理由
- これからの主婦にこそ安定的で確実な副収入が必要
- 減る一方の「貯金」よりも稼ぎ続ける「収益不動産」を
- 不動産投資は30代、遅くとも40代にはスタートすべき
- ご主人の存在が主婦の最大の強み
- 成功と失敗の分かれ目は返済比率!「自己資金4割確保」が目安
- テレワークの拡大で、若い主婦にも手が届く物件も
- 「郊外」「駅から遠くても良い」と考える層の出現
- 2020年の骨太の方針でも東京一極集中からの脱却が盛り込まれる
- 不動産投資に参入しにくかった若い方や主婦にもチャンス到来
- テレワーク時代を生かして効果的に貯蓄を増やす視点も重要
- 自己資金確保の目途が立ったら
- 1.物件探しのポイント
- 大都市郊外や隣接県、地方都市などにも目を向ける
- 一棟売りアパート(オーナーチェンジ)がおすすめ
- 筆者所有のオーナーチェンジ物件の概要
- 2.管理会社選びのポイント
- 物件探し以上に重要な管理会社選び
- 良い管理会社を見抜く方法
- 無収入の主婦でもローンは組めるのか
- まとめ
今、専業主婦に不動産投資をおすすめする理由
はじめに、なぜ専業主婦が不動産投資を検討した方が良いのか、具体的に見ていきましょう。
これからの主婦にこそ安定的で確実な副収入が必要
女性の生涯収入を増やすには、まず仕事を持つという方法が考えられます。
しかし、子育て中の主婦には自由になる時間などなく、家事だけで140項目以上になるという説もあるほど。
「これ以上、どうやって働けと言うの?」というのが、多くの主婦の本音でしょう。
しかも、学校や町内会の用事、家族の病気や介護、冠婚葬祭などに対応できているのも、時間的融通がきく主婦がいるからです。
もしも奥様がフルタイムで働くとなれば、ご主人も今までのように仕事にだけ専念できなくなり、世帯収入は逆に減ってしまうかも知れません。
だからこそ、育児から手が離れた主婦はパートで働く事を選ぶ方が多いのでしょう。パートなら比較的時間の融通がきくため、家族の一大事や雑用に対応できるからです。
しかし、パートだけでは主婦の年収を大きく伸ばすことは期待できないのは言うまでもありません。
このような現実を考えると、子育てや家事に忙しい主婦が、就職もしくはパートで働き、生涯収入を増やすという方法は決して容易ではありません。
むしろ家族の一大事に身動きが取れないなどの大きな副作用を内包していると言わざるを得ないのです。
減る一方の「貯金」よりも稼ぎ続ける「収益不動産」を
収入を増やすのが難しいなら、貯えるという方法も考えられます。
特に数千万円の退職金が期待できる世帯では「退職金を切り崩しながら老後を乗り切ろう」と考える方も多いと思います。
しかし、貯蓄を切り崩して暮らすというのは、精神的に案外キツイものだと言われています。
たとえば3000万円あった貯蓄が2000万円を切れば大抵の方は不安になるはず。
1000万円を切ったら、もう貯蓄には手を付けず、数万円の年金の中で慎ましく暮らすようになる…わかるような気がしますね。
一般に女性の方が男性よりも長生きであり、人生100年時代と言われる今、このような不安で侘しいひとり暮らしが何年も続くというのは避けたいものです。
一方、奥様がアパート経営などの不動産投資をしていたら、年金の他に毎月もう一つの収入がプラスされるのです。
たとえ5万円でも自由になる収入があることで、生活のゆとりも安心感もまるで違います。
奥様が老後を過ごす頃には物件は相当古くなっているでしょうが、ローン完済後は家賃を下げることで入居者を確保し続けることはそれほど困難ではありません。
古くても安い賃貸住宅には一定の需要があるものです。
しかも、家賃収入のある不動産は単なる古家付きの土地よりも高く売却できることも利点に挙げられます。
借り手のいない空き家を子供たちに相続させた場合、マイナスの資産にもなりかねません(固定資産税が6倍になる場合も)。
収益不動産を持つことは、相続や資産運用の上でも大切な視点なのです。
不動産投資は30代、遅くとも40代にはスタートすべき
不動産投資を始めるにはタイミングも重要となってきます。
多くの投資家がローンを組んで物件を購入するため、ローン返済中は家賃収入からローン返済額を引くと、ほとんど残らないのが普通です。
しかも、そのキャッシュフロー(利益)は修繕費用や空き家の発生に備えて貯蓄しておく必要があります。
ローン返済中は、ほとんど家計のプラスにはならないと考えるべきです。
つまり15年のローンを組んだ場合、充分なキャッシュフローを手にするのは16年後から。35歳で投資した人で51歳、49歳で投資したら65歳からになるわけです。
従って、奥様の老後資金として考えるなら、できれば30代、遅くても40代には投資するのが鉄則となります。
退職金を原資に65歳で投資を始めても16年後には81歳になるわけですからほとんど意味がないのです。
20年、30年という長い時間軸で収益を出していくのが不動産投資だということをしっかり頭に入れておきましょう。
ご主人の存在が主婦の最大の強み
次に30代・40代の若い主婦が不動産投資をする場合、どんな強みや利点があるのか考えてみましょう。
最大の強みは、何と言ってもご主人の存在です。
アパートやワンルームマンション(投資用区分所有マンション)などのローンを組む場合、第一に審査されるのは物件の収益性です。
つまり家賃収入で充分にローンを返済できる物件と評価される場合、購入者の収入は問題にされません。
金融機関や金融商品にもよりますが、購入者が収入のない主婦であっても購入可能なのです。
ただし自己資金の割合が少ないなど、ローン返済割合が高く、空室などでローン返済に支障が出かねないと判断された場合は、購入者の経済力が勘案されます。
主婦の場合、家計を同じにするご主人の給与収入が大きな意味を持っています。
ご主人に充分な安定収入があれば、少々空室が出てもローン返済に支障が出る心配がないと金融機関は判断し、融資審査を通すというわけです。
また、ご主人に保証人になってもらう、ご主人との共有名義にするといった手法でも金融機関の審査を通りやすくすることができます。
これらは、独身女性などにはない、主婦ならではの強みと言えます。
さらに、物件選びや管理会社選びといった点でも、ご主人の存在は重要です。
物件選びと管理会社選びは不動産投資を成功させるための車の両輪ですが、これらの情報収集は一人より二人の方が断然有利と言えます。
しかも、男性ならではの視点や価値観、判断力も大きな戦力になります。
女性の視点だけでは見落としがちな物件や環境、既存入居者などの問題を発見することも期待できます。
経営者の目線でシビアにチェックするという点でご主人はとても重要な戦力になるはずです。
また、海千山千の“クセモノ”も少なくない不動産の世界では、契約にも注意が必要です。
女性・主婦だからと足元を見られることのないよう、社会経験の豊富なご主人と契約や交渉に臨むことも大切なポイントと言えます。
ご主人という”利害が完全に一致する唯一の男性“を、戦力として活かせる点も主婦ならではのメリットなのです。
成功と失敗の分かれ目は返済比率!「自己資金4割確保」が目安
次に不動産投資で失敗しないポイントを押さえておきましょう。
不動産投資は必ずしも成功するとは限らないことは言うまでもありません。実際、多額のローンを抱えて自己破産する事例も少なくはないのです。
どんな投資にもリスクはありますが、不動産投資についてはリスクを最小化できる確実な方法があるので覚えておきましょう。
そもそも収益性が年々悪化して行くのが不動産経営と理解しておくことがポイントです。
20年、30年と経営を続けていけば「空室が発生しやすくなる」「建物が古くなる(修繕費用がかさむ)」「家賃相場が下がる」など様々なリスクが発生します。
最初は数万円のキャッシュフローが出ていても、徐々に家賃収入の減少や、修理代や機器交換などの出費がかさむようになって来るのです。
いわば、年々地盤沈下して行くのが不動産経営で、少々地盤沈下しても赤字に転落しないような“基礎高”な収支計画でスタートすることが鉄則となってきます。
具体的には「返済比率50%以内」が目安です。
返済比率とは、毎月の家賃に占めるローン返済額のことで、満室で30万円の家賃収入が見込めるのであれば、ローンの返済額は月々15万円以内になるようにローンを組むようにします。
その理由は、アパートなどの一般的な空室率が30%程度なので、満室時30万円なら実際は平均21万円の家賃しか入らない可能性が高いということが第一点。
さらに、修繕費用や税金、火災保険料などの経費を考えれば、毎月のローン返済額は満額家賃の半分の15万円以内に抑えておかないと、たちまち赤字が家計に食い込む危険性があるというわけです。
では、返済比率を50%以内に抑えるにはどうすればよいのでしょう。
当然、返済期間を長くすれば毎月の返済額を抑えることができます。しかし、返済期間は物件の耐用年数も関係してくるので、中古物件などは、想像以上の短期返済になることもあるのです。
また、返済期間を伸ばせば利息がかさむ上、それだけ長くリスクにさらされることにもなり、返済期間をのばすことにはデメリットも少なくありません。
ローンはできるだけ早く完済することが、健全経営の第一歩と心得ることが大切なのです。
返済比率を50%以下に抑えつつ、できるだけ早く完済するための方法は、自己資金をできるだけ多く用意する事。
通常、「物件価格の3~4割」を用意することと言われています。
3000万円の物件なら1000万円前後、4000万円の物件なら1500万円前後の自己資金があれば、まずまず安心と言えるでしょう。
よく「自己資金0円でも購入可能!」と謳った広告を見かけますが、返済比率が90%台、中には100%を超えるような事例(つまり満室でも赤字)さえあるので、注意が必要です。
どんなに良い物件でも自己資金が少なければ赤字を垂れ流す貧乏神になるし、逆に少々問題がある物件でも自己資金が厚ければ福の神にもできるのです。
不動産経営で成功するには、まとまった自己資金を用意することがすべてと言っても過言ではありません。
テレワークの拡大で、若い主婦にも手が届く物件も
感染症の広がりが不動産市場に大きな変化を及ぼしており、これが若い主婦には追い風になろうとしているので解説しましょう。
「郊外」「駅から遠くても良い」と考える層の出現
新型コロナの影響で、テレワークやオンライン授業が広がりを見せ、住宅に対する需要に変化が生まれてきています。
特に独身向けの賃貸物件については、以前は「寝に帰る」だけの部屋でしかなかったため「駅に近く、便利な立地」で「必要最低限の広さと設備の物件」に需要が集中していました。
しかし、リモートで仕事や授業も行うとなると、部屋で過ごす時間が増え、ある程度の広さや設備も欲しくなるのが人情。
また、たまにしか会社や大学に通わなくなれば、駅に近い事が絶対条件ではなくなっていくはずです。
これを裏付けるように、民間のある調査では「郊外の物件でも良い」が48.4%、「駅から遠い物件でも良い」が28.5%に達するなど、賃貸ニーズに明らかな変化が生じてきています。
つまり、都心のワンルームマンションや駅近アパートなどは人気が低下し、逆に郊外や駅から遠い物件の人気が上昇して行くことさえ予想されます。
2020年の骨太の方針でも東京一極集中からの脱却が盛り込まれる
このような動きは一過性のものではなさそうなことも留意すべきポイントです。
人・モノ・金・情報が過度に東京中心部へ集中している現在の状況は、自然災害に極めて弱く、万が一都心で電気や通信が寸断すれば、日本全体が麻痺してしまう危険性すら秘めているからです。
このような懸念を解消するために、2020年の「骨太の方針」でも東京一極集中からの脱却が盛り込まれました。
東京一極集中が見直され、企業や医療、教育、公的機関等の分散が進めば、自ずと住まいも郊外や地方に分散して行くことが予想されます。
つまり1~2年後とみられる新型コロナ終息以降も賃貸需要の郊外・地方への分散化が進むと考えられるわけです。
不動産投資に参入しにくかった若い方や主婦にもチャンス到来
郊外や駅から遠い物件の人気が高まることは若い主婦にも大きなチャンスとなります。
従来は、駅から徒歩7分以内の賃貸物件でなければ入居者獲得は難しいと言われてきました。
このため、駅から7分以上離れると物件価格はグンと割安になる傾向がありました。つまり、従来は空室が多く、収益性が悪い物件のため安く売りに出されていたわけです。
しかし、テレワークやオンライン授業が定着して行けば「駅近」の優先度は下がり、同じ家賃なら駅からは多少遠いが、設備が充実してゆとりある広さの物件が好まれるように変わるはず。
「駅から遠くても構わない」と考える層の出現がごく最近のため、まだまだ割安な非駅近中古物件が多く見られ、それだけ若い方や主婦にも無理なく手が届く、絶好のチャンス到来と言えるでしょう。
テレワーク時代を生かして効果的に貯蓄を増やす視点も重要
少し視点を変えて、テレワーク時代を自己資金作りに活かすという方法も紹介しましょう。
もしもご主人の会社が全国どこに住んでも構わないという制度を導入したら、例えば夫婦どちらかの実家に引っ越して仕事をするという選択肢も検討してみるべきです。
家計で最大の出費は住居費。もしも、実家で同居できれば今までかかっていた家賃の大部分を貯蓄に回せます。
同居でなくても、実家近くの街に住むことで住居費を抑えることも可能です。
仮に5万円家賃を抑えるだけで1年間に60万円。10万円なら年間120万円で、10年後にはこれだけで1200万円が貯まる計算です。
同居・近居は、親の病気や介護への備えにもなる上、生活費や交際費も都会よりぐっと抑えることもできるはずです。
また、テレワークやオンライン授業が進めば、地方だからと言って子供たちの就職や教育の機会が失われる心配も下がっていく事でしょう。
さらには、奥様が無理をしない範囲でテレワークによる副収入を得るという働き方も将来的には可能になってくるはず。
子育てしながら、テレワークで無理なくダブルインカム(共働き)を実現するわけです。
また、場合によっては親に資金援助の相談をしてみるのも良いでしょう。
将来の生活設計をきちんと立て、親の近くに引っ越すことで堅実に自己資金作りを行っている事実を理解してもらえれば、投資に向けた資金援助(生前贈与など)を考えてくれるかもしれません。
ただし、実家近くとは言っても大自然の中ではなく、将来、その近くで不動産投資が成り立つ場所であることが重要です。
不動産投資では「土地勘」が重要なので、賃貸住宅のターゲットである若者が多い「中枢中核都市」に住むのがベターでしょう。
自己資金確保の目途が立ったら
ある程度まとまった自己資金確保の目途が立ったら、いよいよ投資に向けた準備に進みます。ここでは初めての方が注意すべきポイントを押さえておきましょう。
1.物件探しのポイント
まずは、物件探しをする場合のポイントです。賃貸需要に変化が起きているので、従来以上に幅広い視野で物件探しをすることが大切になってきます。
大都市郊外や隣接県、地方都市などにも目を向ける
賃貸経営は10年単位の時間軸で展開するビジネスです。従って、ターゲットである若者人口が将来的にも安定、もしくは増加が期待できる場所で展開することが鉄則となります。
今後、大都市圏への一極集中は鈍化して行く事が予想されるため、需給バランス次第では深刻な空室や家賃低下などが生じる懸念は否めません。
もちろん、それでも大都市圏における若者の絶対数は莫大なので、格安物件が見つかれば、チャレンジする価値はあります。
ただ、大都市圏の物件価格が急激に下がるとは考えにくいので、初めて不動産投資をするなら、大都市近郊や地方都市にも視野を広げて物件探しをする方が賢明でしょう。
物件価格が安ければそれだけ自己資金の割合が高まり、健全経営につながりやすいからです。
もちろん、いくら安いからと言っても、若者の少ないエリアや将来的に人口減少が懸念されるような場所の物件に手を出してはいけないのは、言うまでもありません。
一棟売りアパート(オーナーチェンジ)がおすすめ
初めての方は中古物件(オーナーチェンジ物件)を探すのも有効な方法です。
収益不動産には、居住用だけでもアパート、ワンルームマンション、分譲賃貸マンション(分譲として売り出された中古マンションを購入して賃貸として貸し出す方法)、戸建て賃貸などのタイプがあります。
この中で初めて投資するならどのタイプが良いのか考えてみましょう。
まず、物件価格が最も安いのはワンルームマンションです。当然、自己資金の割合を厚くできるので健全経営につながりやすいという魅力があります。
ただし、入居率は100%か0%のため、例えば次の入居者が6カ月間入らなければ、年間家賃収入は半減(空室率50%)してしまうので注意が必要です。
入居率が100%か0%なのは、分譲賃貸マンションも、戸建て賃貸も同じです。この2つは部屋数が多いため修繕費用がかさむという注意点もあります。
これに対し、アパートの場合は複数の入居者に貸し出すため、入居率が一挙に0%になることは回避できます(アパートの入居率は一般に70%程度)。
修繕費用も1部屋ごとなので、出費を平準化できます。土地面積に対する家賃収入が最も多く見込めるのもアパートの魅力と言えます。
ただ、物件価格は決して安くはなく、初めての方には手が届かないのがアパートでした。
しかし、郊外や地方には1000万円台、2000万円台という一棟売りの中古アパートが多数存在します。
この水準なら初めての投資でも自己資金の割合を厚くできるため、選択肢に入ってきます。
しかも、いわゆるオーナーチェンジ物件なので、既存入居者(=家賃収入)をそのまま引き継ぐことができます。
また、物件チェックの手間が省ける(入居状況を見るだけで良い物件かどうかの判断がつく)など魅力も多く、初心者にはお薦めです。
筆者所有のオーナーチェンジ物件の概要
参考までに、筆者が実際に行っているアパート経営の概略をご紹介しましょう。
筆者は15年ほど前、仙台で一棟売りの中古アパートを購入しました。
7畳相当(ロフト付・風呂トイレ別・エアコン付き)の洋室1Kが8室、築13年で3100万円ほど。大学から徒歩2分で家賃収入は当時年間約360万円。
これを自己資金1000万円強、アパートローン2100万円(約13年返済)で購入しました。
月々の返済額は15万円強で、家賃収入のおよそ50%。ローンを返済しながら毎月10万円以上のキャッシュが得られていました。
管理会社が大学生協と提携しており、ほぼ満室状態が続き、2年前にローンを完済。
家賃を徐々に下げてきたことで、現在の家賃収入は年間300万円弱となっていますが、それでも毎月20万円強のキャッシュが得られています。
この間の利益は、ローン返済や税金・保険、修繕費用、管理委託料等を差し引いてもざっと2000万円。
今後は家賃収入の大半がキャッシュになるので、向こう20年間経営すれば、さらに2000万~3000万円を稼ぎ出してくれる計算になるのです。
わずか1000万円程度の投資で、合計4000万~5000万円もの利益をもたらしてくれる優良投資物件が、地方には現実に存在しているということです。
2.管理会社選びのポイント
次に、管理会社選びのポイントを押さえておきましょう。
物件探し以上に重要な管理会社選び
不動産投資を成功させるには「良い物件をできるだけ安く手に入れること」と考えがちですが、実は物件探しと同等か、それ以上に大切なのが管理会社選びです。
管理会社というのは
- 入居者の募集
- 入居希望者の内見立ち合い
- 契約業務
- 家賃回収・管理
- 敷地や建物の管理
- 入居者からのクレーム対応
- 退去手続き
- 修繕手配・管理
など、入居者と建物のすべてにわたり管理をしてくれる専門家集団です。
管理会社がいい加減だと、入居者がなかなか見つからない上、建物や入居者の風紀が乱れ、どんなに家賃を下げても空室や家賃の滞納などに悩まされるという悪循環に陥る心配があります。
なぜそうなるのかと言えば、管理会社の担当者は数百戸から数千戸を管理するのが常態化しており、すべてに手が回らないという現実があるからです。
これを回避するには“口うるさい大家”となって担当者をつつく以外ありません。
しかし、これはこれで大変な労力になるので、最初から適正な管理戸数に絞っている良質な管理会社を探すのがセオリーとなってきます。
ちなみに「自主管理」と言って、オーナー自身が管理業務を行う方法もありますが、管理業務には幅広いノウハウが必要なので初心者の手に負えるものではありません。
しかも、管理会社はこれらの業務を家賃の3%~5%程度(筆者委託管理会社は2%)で請け負ってくれるので、委託した方が断然お得というのが、実際の経験者である筆者の実感です。
良い管理会社を見抜く方法
初めての方が良い管理会社かどうかを見抜くことはできるのでしょうか?答えは、初めての方でも手間暇さえ惜しまなければある程度可能です。
良い管理会社を見抜くには、まずインターネットだけでなく「現地に足を運ぶ」のが鉄則となります。
実際に事務所を訪れ、会社や社員の雰囲気を自分の目で確認するのが第一歩です。
さらに、実際の管理物件を見せてもらい管理状況や入居状態を確認し、可能であれば大家さんを紹介してもらい、話しを聞くのも良いでしょう。
ただし、管理会社に協力的な大家さんを紹介する可能性もあるので、必ず近隣の管理会社数社を訪問し、お互いの評判をさりげなく確認することが重要です。
複数の管理会社が否定的な評判を口にしたのなら、その会社は避けるのが賢明でしょう。また、同業他社の悪口ばかり言う管理会社もNGです。
無収入の主婦でもローンは組めるのか
一般にローンと言えば収入を審査されるものなので、安定収入のない専業主婦でもアパートローンなどの投資ローンが組めるのか不安に思う方もいると思います。
また、女性が利用できる公的支援制度を利用した方が良いのか迷う方もいるかもしれません。その辺について簡潔に解説しましょう。
収入ではなく、物件の収益性で融資審査されるアパートローン
先にも触れましたが、アパートローンなどの投資ローン商品は、購入者の収入に対し貸し付けるのではなく、物件の収益性に対し貸し付けるもの。従って、収入のない専業主婦でも、物件購入は可能です。
ただし、購入物件の収益性に不安があったり、自己資金の割合が小さい場合などは、ご主人の収入を勘案して審査を通したり、ご主人に保証人になってもらうといった方法で融資を実行してもらうことになります。
また、都市銀行よりも地方銀行、地方銀行よりも信用金庫などの方が柔軟に対応してくれる傾向があるので、地域密着型の金融機関にも相談してみると良いでしょう。
主婦でも借りやすい融資制度はあるものの
万が一、銀行などの民間金融機関の融資が受けられなかった場合は、日本政策金融公庫による「女性起業家支援金」を利用する方法もあります。
これは35歳~55歳以下の方が利用できるもので、無担保・無保証人で7200万円までの融資枠が用意されています。
民間の投資ローンほど審査基準が厳しくないため、民間で断られてもこちらで融資を受けられる可能性はあります。
ただし、銀行融資を断られたということは、ローン返済に不安があるという事。
つまり、ご主人の収入を勘案してもローン返済に支障をきたす恐れがあるということなので、そもそもそんな投資はすべきではありません。
金融の世界には「貸すも親切、貸さぬも親切」という言葉があるそうです。貸すことで破綻を招く恐れがあるのなら貸さないこともまた親切と言う意味。
プロが精査して収支計画に無理があると判断されたのだから、他の金融機関を探すのではなく、投資計画自体を見直す冷静さが必要です。
まとめ
子育てをしながら、ご主人が仕事に専念できるように毎日忙しく立ち働いて家庭を守っている専業主婦ですが、男性に比べて経済的には弱い立場にあるのが現実。
人生100年時代を豊かに暮らすためには、生涯にわたり安定収入をもたらす不動産投資は重要な選択肢となります。
現在、テレワークの拡大などで郊外や地方の住宅需要に活性化が見られ、初めての方にも投資しやすい環境が整いつつあります。
収益不動産は収入のない専業主婦でも購入可能で、さらにサラリーマンなどの安定収入のあるご主人の存在は大きな武器となります。
奥様ひとりで行動するのではなく、頼れる配偶者であるご主人としっかり話し合い、二人三脚で資金作り、物件探しなどをすることが、主婦の不動産投資を成功させる一番の方法と言えます。